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相手あっての自分、それがコミュニケーション

今年に入って、色のお仕事以外にもコミュニケーション力にまつわるアドバイスを求められることが増えてきました。現在発売中のOzplus(オズプラス)5月号での監修の記事もその1つです(こちらの雑誌は今月末まで書店にて見ることができます)。
コミュニケーションについては、お客さまからよく相談を受けます。恋愛相談と同じくらいに多い相談かもしれません。
ということで、今夜は少しコミュニケーションのお話しをしてみたいなって思います。
コミュニケーションは相手がいて初めて成り立つもの。
面と向かって話するとき、
声を聞きながら電話で話をするとき、
顔も声もなく文字だけでやりとりをするメールや手紙、ネット上でのSNSなど。
取引先であろうと、
上司であろうと、
先輩であろうと、
後輩であろうと、
同僚であろうと、
相手がどんな立場の方であっても、
また、
友人であろうと、
恋人であろうと、
家族であろうと、
仕事であろうとプライベートであろうと、
相手がいるということはいつだって同じです。
人は、毎日ありとあらゆる場でコミュニケーションの場に出くわします。
相性のよい人とのやとりもあれば、苦手な人とのやりとりだって、ありますよね。
好きな人だから頑張りすぎたり
親しい間柄だからと手を抜いてみたり
難しい人だからとつい相手に合わせてしまったり
苦手な人だからと適当にあしらったり。
日々、コミュニケーション力がいかに大切かを痛感します。
そんな中、世の中は、ネットやメール、便利なシステムといったものが生まれたことで、リアルな人間関係、つまり、肌と肌とが触れ合うような温もりを感じられる場が希薄化しているように思います。
例えば駅。自動改札になったことで駅員さんとのやりとりがなくなりましたよね。SUICAでピっ!という毎日。車の人はETCのピっ!っがそうなのかな(笑)。
でも私は、駅を使う際には必ず挨拶をしています。いまではすっかり駅員さんからしてくれるようになりました。^^
嬉しいですね~。
それと個人商店からスーパーが増えたことで作り手、もしくは売り手の人との直接の会話が減ってしまいました。スーパーの場合ですと最後のレジだけが唯一のコミュニケーションの場に・・・・・・。
商品を1つ1つ選ぶ際に生まれるさりげない会話。例えば、「今日はどのお魚がおすすめなの?」みたいな会話は、もちろん場所にもよりますが、都心ではそう滅多に聞くことができなくなりました。
便利になることはとてもいいことですが、便利がコミュニケーション下手を生み出してしまうこともあります。
大人になると、自分から積極的に動かなくては、なかなか新しい仲間と出会う機会も得ることができません。いい仲間、いい出会いを求めるためにも、外に出ていくことが大事です。
仲良しの友人も、仕事とは別に地域活動をしており、またその活動をきっかけに仕事の幅も広げたりして頑張っています。一つの仕事をしていると、つい視野が狭くなってしまうので、こうした野外活動はとても良いことだなって思います。いつも偉いなって尊敬しています。
外の世界を見ることは、内の世界を見直すことができます。
早いもので私が色に携わる仕事を始めて18年がたちます。1つのことを極めながらも常にアンテナを張りつづけ、同時に視野を広げることも止めなかったこと。これが、今の自分をつくってくれたのかな~と思います。
また、視野を広げることで学んだのは、「安定したコミュニケーションをとること」がいかに大事かということです。
「安定した」
ここがキーです。
上手なコミュニケーションとは、ただ優しい言葉をかけたり、気を遣ったりすることだけでは足りません。自分の調子が悪いとき、タイミングが悪いときこそ、人への優しさや思いやりが試されるものです。
けっして無理する必要はありません。ただ、今の状態を素直に伝える、これができるかどうかが大切です。また、ただ伝えるというだけでは相手の気持ちを無視したことになります。
どう伝えるか、どうコミュニケーション手段をとるかは、相手との間柄にもよりますが、親しければ親しいほど、相手の嬉しい状態がわかるはずですので、まずは身近な人から正しく伝える練習をしてみるのがよいかもしれませんね…。
自分が今、どういった心境でいるかなど、相手の人にはわかりません。もちろん同じ場所にいれば顔つきや声のトーンでわかることもありますが、それでも心の奥底の気持ちまで理解できる人はそう滅多にいません。
誰だって言葉を発しなくても自分の気持ちを察して欲しい・・・という時ってありますよね。私もこうした気持ちを抱くこと、あります。
ですが、基本相手あってのコミュニケーションは、自分の良し悪しの前に、相手が気持ちよくなる対応を心がけることを大切にしていけると良いと思います。こうすることでどんな相手であっても、気持ちのよいコミュニケーションをとることができますよ。
よく、相性が良いとか悪いとか、自分と似てる似てないとかを考える人がいますが、人と人との関係は、そんなに簡単に片付けられないと思います。
どんなに価値感が違っていても、たとえ共通点がなくても、もしくはあっても、お互いにしっかり向き合えば、必ず理解できるものです。ただ、どちらか一方が向き合うことから目を逸らしてしまいがちなのが、人というもの、です。
私は人と会うことが仕事です。だから余計に思うのかもしれませんが、社会人として過ごすためにはコミュニケーション力は不可欠です。
特に上の立場の人は大切にしてみてください。
みなさんのちょっとした気遣いこそが、よりよい人間関係や結果的に良い仕事にも結びついていきます。
一度決めたら、最後までやり抜く。
コミュニケーションにもこうした想いを取り入れていけたら、素敵だなって思います。
最後にみなさまにご報告です。
『働く女性のための色とスタイル教室~幸せを呼ぶ外見のつくり方(講談社』ですが、お陰様で先日またまた増刷が決まりました!今回で7刷りとなります。
発売から2年たった今も書店で平積みになっているというお話しを頂きます。また今回震災でいけませんでしたが、訪問を予定していたNYの紀伊国屋書店さんにおいても、拙著を置いてくださっているというお話しをいただきました。
日本だけでなく、海を越えたアメリカでも、私の本が手にしていただけていると思うと、次も恥かしくない作品を残せるように頑張りたいなと思っています。
センスを文章に落とし込むという作業は、とても難しいことです。
今日ここでお話してきたコミュニケーションという部分でも、著者からは書籍は相手あってのものだと理解しております。
だからこそ慎重です。
独りよがりではなく、読んでくださる人のことを思って、次もロングセラーにつながるような良い本を残せるように頑張ります。
みなさま、ありがとうございます。
今日も1日お疲れ様でした。
おやすみなさい。
色のひと 七江亜紀