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芸術

本日より、上野の東京都美術館で「大エルミタージュ美術館展」が始まりました。モネ、ルノアール、ピカソと世界的に名高い巨匠たちの名画が飾られており、行く前からかなり楽しみです。
さて、よくこの仕事をしていると次のような質問がきます。
「七江さんはさぞかし絵が上手いんでしょうね。」と。
どうやら絵の具やら色鉛筆を使って仕事をしているためか、このような問いかけが多いみたいです。では実際のところどうなの?てことですよね。
大きな声ではいえませんが、美術はよくても4。大抵3でしたね。まあ一般に言う、「まあまあ」「普通」「できた」といった人でした(笑)。
特に色をつけるのが大の苦手。おかしいでしょう?
デッサンまでは先生にそこそこ褒められていたような気もしますが、色をつけた途端に「あれ?、さっきの褒め言葉は何処へ?・・・」といった流れです。毎回(笑)。
今でも忘れられないのは、小学生の時。
大きな画板をもって、構内で一人一人が校舎の絵を描くというもの。皆さんもご経験ありませんか?
おてんばだった私は張り切って外にでて、お気に入りの場所を確保。いざ鉛筆で下書きをはじめました。出来上ったものは自分でいうのもなんでしたが、まんざらでもありませんでした。でも浮かれていたのも束の間。
いよいよ色をつける段階に。
桜の木に、緑の葉、青い空に大地の茶色。自分なりに色をセレクトし、デッサンの上に色付け始めました。そして半分以上が色で埋めつくされた頃、自分の目の前にある幼い子供が描いた絵画は、当初のいけてた?面影はなく、ただの落書きに・・・。周囲にいた友達にも「下手くそ~」とからかわれ、それ以来絵を描くのはあまり好きではなくなりました(笑)。
でも決して絵を描いたり、色をぬったりすることが嫌いなわけではなかった私は、どうしたらいいんだろう・・・と幼いながらに考えていたのを覚えています。それからの私は、塗り絵にはまり、また絵の具のような繊細さとは正反対の切り絵で自分を表現したりするようになっていきました。勿論授業ではそんなものは存在しないので、自由作品のときなどは妙に張り切っていたような。
世界が認める芸術作品というのは、どれ1つとして同じものなどありません。綺麗に1つ1つ丁寧に描かれているものもあれば、まるで落書き?といったように乱雑に筆を振り回しているものも少なくはありません。大人になってようやく、芸術というものが何なのか?ということがわかるようになってきました。
小学生の頃の私は”芸術”というものを算数や国語と同じように、きちんと線を描き、正確に色を塗る、つまり答えが必ずある、といった見方をどこかでしていたように思います。でも本当は答えなんてないんですよね。
絵を描いたり、色を塗ったり、他にも詩を書いたり、楽器を奏でたりすることというのは自分だけにしかわからない”天性”みたいなものが隠されている、貴重な宝箱”パンドラの箱?”なのかもしれません。
それを開くか開かないかは、運もあり、環境もあるかと思います。
でも決して”開かない”、”鍵がかかったまま”ということはないと私は思います。まだ開いていないとしたら、鍵のありかを知らないか、もしくは鍵を差し込む勇気がないかのどちらかではないでしょうか。
私はお客様に色を塗ってもらって頂き、その方の現在の心理状況などを分析していくカラーセラピーを行っておりますが、不思議ですね。誰一人として、同じものなど生まれてきません。5人の方に「りんごの絵に色を塗ってください」と課題をだしても、5枚の全く違う色をしたりんごの絵が生まれてきます。
皆さんの中にも、どうしても昔から芸術系が苦手という方がいらっしゃいましたら、どうか宝箱の鍵を探してみてください。そして自信をもってください。
現在フジテレビで放映されている”のだめカンタービレ”というドラマがありますが、これを見ているとものすごくうなずけるものがあります。皆さんも一度見てみてください。主人公役の上野樹里さんのファッションもなかなか個性的で配色の勉強になりますよ。^^
モネからのだめまで話は広がってしまいましたが、日々色んな方と出会い、話を交わしていくと人間というのは、本当に不思議な生き物であり、どんなきらびやかなダイヤモンドよりも美しく、魅力的なものだなと思い知らされます。
皆さんも是非”食欲の秋”もいいですが、”芸術の秋”を満喫してみたはいかがでしょうか?(前者も捨てがたい、いや捨てられないよね。)
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