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現役ドクターも納得!手術室のトリックとは?

先日、現在コンサルティングを受講中の美人女医さんからこんな質問がありました。
「病院の手術室の色にもなんか意味があるのでしょうか?前々から気になっていて」
答えはもちろん・・・・・・YESです。
ということで、今日は、私たちがいつかお世話になるかもしれない、病院の手術室のお話しをしていきたいと思います。実はこの話、色彩効果を立証するためには欠かせない話。もしかしたら、すでに耳にしたことがある!という方もいらっしゃるかと思います。はじめて耳にする!という方は、雑学の1つとして知っておいていただければ嬉しいです。
昔は、手術室の壁はよくある普通の白い壁だったと言います。
でもその白い壁も、今では青緑色がほとんど。なぜ色を、アイボリーといった優しい色ではなく、青緑にしたのでしょうか。
当時、手術に執刀していたドクターから、こんな悩みが持ち上がっていました。それは、手術中に白い壁に青緑色のしみのようなものがうつって見えるというもの。自分達の目の異常ではないかと相次いでドクターから打ち明けられたようです。
その後調べた結果、それは「色残像」というものだとわかりました。
この色残像というものは、同じ色ばかりを見ていると、網膜に疲労感が蓄積し、見ている色の反対色が目に浮かんでくるというものです。
また、反対色というのは、補色とも呼ばれるもので、赤であれば青緑、黄色であれば紫、オレンジであれば青といったものになります。
つまり、ドクターたちは、赤い色をした臓器や血を長時間見続けていることで、その補色にあたる青緑色がふとしたときに白い壁に残像として見えてきてしまっていたのです。
また、手術着も同じです。人のカラダを治療するわけですから、神聖なる白はピッタリの色。でも外科手術となるとキレイごとだけでをいってはいられません。ドクターのミスは許されませんし、そのためにも出来るだけ集中できるような環境が大切なのです。
手術をすれば、赤い血が付着することは当たり前です。すると白い壁と同じように、顔をあげれば前に立つドクターの青緑色の残像が見え、ドクターの目を撹乱させてしまうのです。
こういったことがわかってからは、手術室の壁や床は勿論のこと、手術着までもが赤の反対色である青緑を用いることになったといわれています。
また、青緑色には、緊張感を和らげる効果もあるということがわかり、青緑色の空間は、病と闘う患者と、そこから救おうとしているドクターのためには、欠かせない色空間というわけです。
つまり、ドクターが目にしていた青緑色のしみというものは、血の赤色ばかりを目にして
いたために、白い壁にうつった、赤の反対色である青緑の残像でした。
ちなみに産婦人科や婦人科が、ピンク色の壁やピンク色のナースが増えてきているのは、反対色の話しとは異なり、こちらは、あくまで、女性のカラダというデリケートな部分を扱う分野であるからこそ、女性らしさ、女性のカラダを想像させるピンク色を使用していると言えます。また、ピンクはピンクでも、濃いピンクではなく、どちらかというと薄い柔らかさのあるピンクが特徴ですね。
白い壁を青緑にしたり白い壁をピンクにしたりと、本当にちょっとしたことなのに、私たち人間には、これがとてもとても大事なことなのです。
大学病院などでも、だいぶピンク色に変えたところが多くなってきているとは思いますが、まだまだ色彩環境を整える必要のある病院や施設は山のようにあるのが現状です。
いつかお手伝いできるといいですね。