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惹かれあうセンス

今朝はちょっとゆっくりの朝です。
大切な人が1人苦しんでもがいていると知って、自分に何かできないか?と色々と悶々としていたら夜が明けていました。とは言っても、祈ることしかできなかったのですが、それでも何もしないよりいいかなと思って、真っ暗な部屋にキャンドルを炊いて、ただ心を静めて過ごしました。
先日、私もどうしようもなく壁にぶつかってしまった時がありました。9割型自分で解決してきていますが、その日はどうしても話を聞いてもらいたくって、友人にメールをおくりました。でも返事はありませんでした。長い付き合いなので、すぐに察知ました。相手ももしかしたらもがいているのかもって。
だから自分は大丈夫。何でもないよ!と再度伝えて、再び立ち上がってスタートさせました。とは言ってもすぐには無理だったので、リセットの意味でも大好きな入浴タイムをとることにしました。バスタブにバスオイルを入れて、これでもか~(笑)というほど汗をかき、そのあと走って、そのあとまた半身浴しました。一時的な気休めでしかなかったかもしれませんが、少しでも元気を取り戻せたので、その勢いのまま這い上がって頑張りました。
そんな私にまた別の友人が、「カレー作ったよ!」と連絡をくれて、甘えてみようかな、っと思って家に行きました。元気のない私にいっぱいくだらない話や自分の恋話を話してくれて、しまいには肩もみまでしてくれました(^^)。
すごく救われました。自分の不のオーラが伝わるのではと心配したのですが、側にいてくれただけでカラダが楽になり、気持ちが穏かになりました。そして友人は最後に弾き語りで歌を歌ってくれました。タイトルはもちろん「ともだちはいいもんだ」です。「あきさん、絶対泣きますよ。泣いてください。笑」と言って透き通るようなキレイな歌声で弱った私を優しく包んでくれました。
本当に、ともだちっていいもんですね^^
次は私の番ね!と、楽譜のコピーをもらってその日は帰りました。ここ何年も荷物置き場になっていたピアノを久しぶりに弾くことになりそうです。練習して、友人が辛いときに弾き語りをしてあげようと思ったからです。
色をきっかけに、私は本当に多くのことを考え、見るようになりました。
色を感じて正確に伝えるためには、とにかくファイブセンス、つまり五感が大事だということが痛いほどわかるようになってきました。どんなに目を鍛えても、独りよがりで周囲には伝わっていきません。赤をワインのような赤とイメージする人もいれば、オレンジがかった赤を想像する人もいるように、人の感覚というのは、十人十色なんです。
そして不思議なことに、人が持つ感性というのにもいろんな種類があります。
たとえば編集という仕事については素晴らしいセンスの持ち主だったり、経営についてのセンスは誰にも負けないという人だったり、デザインを任せるのならこの人は飛びぬけているといったように、各分野ごとに豊かなセンスを持ち合わせるという場合もあります。
一方で、分野ごとではなく、全体的になんとなく、目には見えないけれどある一定のバランスのとれた感性を持っているという場合があります。
このタイプの人は、音楽1つとってもたとえロックだろうとジャズだろうとクラシックだろうと、ジャンルは違ってもどこかで共通の音色を感じさせるものを選び出すことができます。洋服でもそうです。決して飛びぬけたオシャレさんでなくても、なんかいいよね!というファッションをさくさくっと作ってしまえるのです。
みなさんもしかしたら気づいていないかもしれませんが、後者のタイプの2人が一度出会うと、たとえ初対面であっても、すぐに意気投合する場合が多かったりするのですよね。
わっと盛り上がって仲良くなっても数ヶ月で終わってしまう人もいれば、年に数回しか会えなくても一瞬で深い絆を作ってしまう人との出会いがあるのは、みなさんも経験があると思います。
これは、相性もありますが、私はセンスが同じ、それも前者分野ごとのセンスではなく、後者のある一定のセンスが同じ、もしくはとても似ているためにそれが互いに安心になったり、ドキドキした刺激に変わったり、お互いにお互いを尊重する軸になったりしているのだと思っています。
男女であれば自然と惹かれあうし、同性同士なら互いにいいアドバイザーになったり・・・・・・。
これが良くわかるのが「音楽」です。
音楽って、本当に多岐に渡って存在しますが、これ、この音、この歌声、このリズム、すごくいいよね!という曖昧な感覚は、わかる人でないと語り合えなかったりします。他人の車に乗って、流れてくる音楽を聞けば、すぐにその人のセンスというのは不思議とわかるものです。それが良いとか悪いとかではなく、そのセンス、つまりその人の持つ五感というのが、自分の肌に合うか合わないかがわかるということです。
人と人って価値観って大事といいますが、私は価値観と同様に五感のあり方も実は大切なのかなって思うんですよね。
どんなにケンカしていても、どんなにイライラしていても、2人を結びつける音色が流れたら、恐らく心が休まると思うんです。でも1人は心地良くても、もう1人は嫌い!という音色では、さらに仲は悪化していきます。
色も同じです。どんなに似合う色を着ていても、センスよく、相性よくまとめることを意識していかないと、ちょっとしたところで相手に距離をとられてしまうことがあります。好みの色というのもありますが、色の場合には、誰が見ても心地良いという共通感覚がありますので、それを身につけていく努力をしていけば、いつだって周囲を和ませる存在へになることができます。
大人になって出来た友人、特に親友と言える人とは、正直会話がなくても同じ空間で過ごすことができます。無理に何かを喋ろうとしたりする必要がないからです。お互いにどこかで認め合うものがしっかり存在し、それが1本の糸で結ばれているからこそ、時と場合によっては、会話は必要なかったりします。
だからこそ、ほんの少しでも理解してあげることができる相手には、困っているときには何かできないかと考えます。もちろん相手から頼ってくれれば一番ですが、人によってはなかなかそうもいかないので、それならば自分ができること、それをしたいと思います。
最終的に決めるのは友達でもなく恋人でもなく、親でもなく、自分です。ですが,人はそんなに強い動物ではありません。どんなに強がっていても、もろいのが人です。さりげない1本の電話や、温かいメールや手紙だったりが、なんだか妙にほっこり出来て、一瞬でも救われるときがある、それが人なんだなって思います。
人と人というのは、それこそ色んな色を持っていて、色んな色、センスで繋がっているんですよね。
みなさんの周りにも、自分と同じような五感を持った人がいたら、きっとその人とはこれからもずっとずっと、たとえ何かで一時的に離れてしまったとしても、またくんくんと嗅ぎつけ(笑)、再会して互いに尊敬し合うことができる存在へとなっていくと思います。
互いに尊敬しあえる人との出会いというのは、自分の五感を磨くことでもあるのかなと思います。
こんなにも沢山の人が存在する世の中で、これから出会える人というのは正直限りがあります。またその中で、心から信頼できたり愛せたりする人というのはそう滅多に現われません。だからこそ出会えたときは、相手はもちろんのこと、その人との関係を大事に大事にしてもらえたらと思います。