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ピンクの似合う大人になる

いつの時代もピンクという色は、世の中になんとも言えない幸せ感やふんわり感をイメージさせる独自の世界を送り出しています。たまにムカっ!(笑)とくるほど口溶けしてしまいそうな甘ったるさを強く感じさせたり、「どうしてそんなに優しいの?」と、つい問いかけたくなるほどのフェミニンさを見せ付けたり・・・・・・。
そんな優しいけれど大胆で粋なスタイルをもったピンクは、どんな色も太刀打ちできないほどのパワーを持ち合わせ、見る人や見る場所や時間によってこんなにも様々な顔を見せてくる魔性の色。
よく「モテ!」という言葉を耳にするけれど、この言葉と共に使われやすい色がピンクというのもちょっと納得できますよね。「モテ」と「ピンク」はどこか共通しているというか、共存し合っているというか、似ているところが沢山あるのかなって。
でもピンクと言ってもいろんなピンクがあるので注意が必要です。私が考えるモテるピンクは、ふんわりとした甘いベビーピンクのオーラのある人のこと。特に男性にこうしたフェミニンさが垣間見られる人は、モテるんだろうな~って思います。
一方で同じピンクでも、ショッキングピンクのような強いピンクのイメージを発している方も中にはいらっしゃいます。こうした人は自然な色気というより人工的なエロスを無意識に出してしまっている可能性があるので要注意です。
女性の場合には、自然ともっているフェミニンさがありますが、男性の場合には強さあっての優しさなので、また少し違う感覚だったりします。
ちょっと難しいですが男性の場合には敢えてピンクを使うというより、ピンクを身につけなくてもピンクのような優しさが自然と見られる、滲み出ているというのがベストなんじゃないかなってそう思うのです。
さて、前置きが長くなりましたが私はそんな魔性のピンクがとても苦手で、買ってもあまり着ないということが多々ありました。それが似合う色であり、似合う形であっても、です。でも今は「もっとピンクが着たい!」素直にそう思えるように・・・・・・。
先日も青山でトレンドセミナーを開催したのですが、この日のテーマカラーはピンク。皆さんいろんな色のピンクを着て会場にいらしてくださいました。もちろん私もピンクを着て行きました。嬉しかったのが、誰一人として同じピンクがいなかったこと。色みは似ているけれど、どこか違う・・・・・・。まさにピンクならではの顔を一度に目にする事ができました。
あっという間の2時間でしたが、ピンクパワーのお陰か、女性らしさで会場が包まれていたような気がします。私自身終始気持ちよく話しができたことが何よりの証なのかなって思います。
そんな魔法をかけるピンクに、いま私は強く恋をし始めています。まだ夢中とまではいきませんが、かなり気になり始めている、そんなステージにいます。
ファッションにも、ビューティーにも、そして恋愛や結婚にも、ピンクという色は、あらゆる場面とあらゆる年齢とともに共存する永遠たるもの。ピンクの凄いところは、女性だけでなく、男性にも共感させて惹かれさせてしまう力があるところかもしれません。だから魔性なのかもしれませんね。
上記で書いたように、私はピンクにどこか苦手意識がありました。正直恋はしていてもこの気持ちは継続中です。
小柄でベビーフェイスな私にとって一見何の違和感もなく身に付けられそうですが、色はそう簡単に着る人を楽しませてはくれません。苦手な色が似合うと言われたからといって、急に「はい大好きになりました!」なんてなれないですものね?
人に例えたらもっとわかるかな。苦手だった人を急に「愛してる!」なんて言えないでしょう?じわじわと友情から恋心へと移り変わっていき、相手を好きになるように、じわじわとピンクを好きになり始めている、そんなところです。
自分に似合う色や似合うスタイルを知っていても、しっくりこない、どこか違和感を感じる。人にはそんな曖昧なことがいっぱい!みなさんにもあるんじゃないかな?
ピンクという色は、薄くて淡い色もあれば濃くて鮮やかな色もあって色んな顔を見せてくれる魅力的な色です。でも着る人によってピンクの可能性をもっと高められる人もいれば、魅力に陰を差してしまう人もいます。
目の前にしたピンクをより可能性のある色として高められるかどうかは、着る人の心だけが知っています。
以前の私には、ピンクという色を高められるほどの力がなかったんです。優しくて女性らしい色なのに、私が着ると台無し。なぜならば、ピンクを優しく着るほどの心の余裕がなかったからです。昔の私にとってピンクという色は、童顔に必要以上に甘さやフェミニンさを加えてしまうだけの、ただのお節介色でした。
『服はココロで着る』
私がいつも言うこの言葉は、まさしくこのことです。でも今は違います。自分と向き合うことで、自分の可能性を、ピンクという色の可能性を、もっと意識できるようになったから。だから今は、自分の価値も楽しめるようになってきたかな。
自分だけの確立した確固たるイメージを探し当てるまでの道のりはとても険しいもの。
どんな色であっても、どんなファッションであっても、自分にとっていま、何が必要で何が大事かを常に意識し、常に見極める力が備わっていれば、その都度自分の心のまま服を着られるようになるんじゃないかなって思います。
大人になっていくと、つい落ち着いた色や無難な色に走りがちです。みんなが考える無難な色というのは、誰もが手にしやすい色だからこそ、カッコよく着るには自分の見せ術を熟知していて、沢山の中からコレ!というものを選ぶ選択力がなければいけません。だから本当は、無難な色ほど難しい色なんですよね。
 
世の中がなんだかごった返している今だからこそ、色んな色を着てもらえたらなって思います。できれば好きという選び方だけでなく、似合うという基準でも色選びをしていってもらえたら嬉しいです。
ちなみに私は、自分に似合うピンクを探し、もっともっとピンクの似合う人になりたいなって思っています。そのためにも、外見と内面と常に向き合い、一番バランスのとれた状態をキープしていきたいと思っています。
見つけるだけなら簡単です。
大事なのは継続させること、
これを忘れてはいけません。
パーソナルカラーやパーソナルスタイルを知っただけで安心していてはいけません。セルフブランディングが当たり前になっていく時代です。これからは、自分はもちろんのこと、周囲の人たちまでが心地よくなれる空気感をブランディングしていけるようになっていく必要があるのかもしれませんね。
最後に・・・・・・
青が最も似合う色だったのに、最近ピンクも似合うと言われるようになりました。今年は色でもっと自分の可能性を引き出してみたいなって思っています。ピンクは着るのも見極めるのは難しいかららこそ適度にお付き合いしていきたい色なのかなって思います。
ちなみに男性がピンクを着るときは、「いかに自然に着れるか」が勝負。頑張って自分のピンクを見つけてみてくださいね!
さ、今日はこれからお客さまに似合うピンクを探しに行ってきます。かわいくて、女性らしい大人なピンクが見つかるといいな~♪