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色のない、まっくらやみのエンターテイメント

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ここ最近、出来るだけヒールのない靴を履く時間を持とうと心がけているのですが、これが私には結構つらかったりします。誰もがヒールよりもぺたんこ靴のほうが楽に決まってると思うかもしれませんが、習慣って怖いですね。もう何年もヒール生活が長い私には、目線が変わることがこんなにも疲れるとは思ってもみなかったんです。
今まで見えていたものが、突然見えなくなるって本当に恐ろしいものです。私はこれを満員電車の中で体感します。目の前が本当に真っ暗になるのです。なんとか回避しようと必死なのですが、気づくと真っ黒なスーツを着た方々の間にスポッと押し込められています(笑)。昨日なんて、あまりに大きな方々に囲まれてしまって、もう酸欠状態でした。
もし生まれ変われるのなら、あとヒール分だけでも高く生まれてきたいなって思います(笑)。
さて今日は、こんな私の真っ暗な体験なんて本当にちっぽけで、なんでもないことだと感じさせてくれた素晴らしい場所をご紹介したいと思います。
少し前なのですが都内にある「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という場所に行って来ました。
以前から一度は行ってみたいなとは思っていたのですが、なかなか行く機会がなく・・・・・・。そんな時に友人からお声がけいただき、一緒に参加させて頂きました。
参加って?
実はこのダイアログ・イン・ザ・ダーク、完全に光を遮断された空間の中を何人かでグループを組み、アテンドの方のサポートのもと、暗闇を探索していく、“まっくらやみのエンターテイメント”なのです。
またここは、日頃体感できないようなことを、肌で、耳で、鼻で、そして心で感じることができる、そんな場所です。
平日の昼間だというのに、前も後ろも予約でいっぱいでした。
みなさんには、是非直接足を運んでいただきたいこともあり、内容は敢えて深く解説致しませんが、とにかく最高の時間を過ごせることは間違いありません。
「色」を扱う仕事をしている私には、色のない、光のない世界はまるで別世界でした。
最初は真っ暗という世界にものすごい恐怖感を覚えていましたが、不思議ですね。普段から五感をフルに使っていることもあり、視覚が使えない分、聴覚や嗅覚、触覚がものすごい鋭くなり、自分が思っていたよりも暗闇での時間が、なんだかココチよく、ビクビクしながらもゆっくり過ごすことが出来ました。と言っても、実際は時間が決まっていて、また一緒にいてくれる仲間がいてくれたからこそ、安心していられたのかなと思います。
私たちが思っている以上に、光のない世界というのは思慮深い世界です。
ダイアログ・イン・ザ・ダークでの体験後、本当にいろんなことを考えさせられました。体験から随分時間が経過した今も、あの時過ごしたあの時間、あの空間を思い出すだけで心が温まります。
体験したその夜には、ダイアログをよく知る友人にメールで熱く綴っていました。とにかく誰かに話したい、誰かに伝えたい、そんなすばらしい空間なのです。
情報が、光が、キラキラと溢れる贅沢な今、ぜひ皆さんにも、限られた世界感を体感しに足を運んでみていただけたら嬉しいです。
東京にこんなステキなところがあったんだなって、きっと思ってもらえる、そんなココチ良いところです。
私もまた、お世話になりたいなって思っています。