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人生の転機を迎えるとき

私はカラーアナリストとして、色が及ぼすさまざまな影響力について研究して参りました。
中でも人の色「パーソナルカラー」と呼ばれる、その人の生まれ持った色における研究は、長年かけて行ってきました。
人は物と違って感情があります。そのためルールや理論だけでは解決できないものが山のようにあります。どの分野よりも奥が深く大変デリケートなものなのです。
パーソナルカラー診断は、ただその人の色のタイプを診ることではなく、
・なぜこういった色が引き合うのか
・なぜこの色を身につけると印象がよくなるのか
・なぜこの色を身につけるとバランス悪いのか
・なぜ同じピンクでも一方は品がなく見えてしまうのに対し、もう一方は上品でとてもエレガントにみえるのか
・若く見せようとするのと、自然と若々しく見えてくるのとではどう違う!
といった診断における過程を、実際に鏡の前に座っているお客様にも、感じて、納得していただかなくては意味がないのです。
4シーズン、12シーズンといった、パーソナルカラーの診断結果だけを生み出すことが目的ではありません。大事なのは結果までの過程です。私はこのことに何より力をいれております。
お客様には、春夏秋冬といった言葉より、それぞれの色がどんな色でどんな風に見えるのか、そこをしっかり憶えて帰っていって欲しいとお話します。
お客様との時間は、ちょっとした世間話から色彩の話まで、何一つとして無駄のない大変密度の濃い時間です。
わざわざ私のことを見つけて、受けたい、会いたい、と思ってくれたお客様に、誰も手がけることのできない最高のコンサルティングを提供したい、常にそう思っています。
私は皆さんもご存知の通り何もないところから自分で道を切り開いてきました。
年数を重ねていくと、当然自分の腕に磨きがかかってきます。
それと同時に、時代背景も少しずつ変化していきます。だからこそ、その時代をしっかりキャッチしていくことが大事なのです。
必要であれば新しい風をいれていかなくてはいけませんし、学ぶ必要があれば体が覚えるまでしっかり向きあってきています。これはどんなお仕事でもそうですよね。
後継者がいるわけでもなく、私の変わりに前に立てるアシスタントがいるわけでもない。
だからこそ私自身が商品であり、お客様の付加価値なのだ、という責任を日々感じております。
一期一会
この言葉は嫌いな人はいないのではないでしょうか。
というくらい、本当に素敵な言葉です。
これまで数え切れないほどの方とお会いし、言葉を交わし、その人の色やスタイル、イメージといったものをみてきました。
お会いしたときは、学生だったのに、今はすっかり2児の母という方もいれば、定年退職され、悠々自適な毎日を送っていらっしゃる方も。私と出会ったことがきっかけとなり、転職をされて大成功されている方もいれば、OLを辞めて、経営者として独立されている方など、
思い出せばきりがありません。
いまでもそういったお客さまからお葉書やお手紙をいただきます。
今回私の初めての本となる、『働く女性のための色とスタイル教室』を出そうと思ったのも、
・学生から社会人になって、どう振舞っていっていいのか頭を抱えている方
・あと1、2年で30歳を迎えるというのに、何も変わっていないのでは?と思っている方
・30代前半もきっとあっという間に過ぎてしまう。アラフォーと言われる前に自分軸をしっかりもって、大人の女性として歩いていきたい!という方
・40歳を目の前にし、今の自分に「これでいいの?」と問いかけている方
・40代後半に入り、やり残したことはないか、今からチャレンジできることはないか、自分をもっと内面から磨いていけないか、といった数多くの?を抱えている方
・50代に入って、子供達もすっかり立派になり、時間もたっぷりできた、自分に時間をかけたい、そう思っていらっしゃる方
・そして女性だけでなく、男性の方がた。
とにかく読んで下さった方には、なんらかの「発見」「気づき」「ハッとした感」を抱いていただきたかったのです。
でも努力の甲斐があり、お客様に私の気持ちが書籍を通して伝わっていただけたようで、
現在全国から大勢の方が私に会いにいらしてくださっています。
本当に嬉しい限りです。
私もこれまで何度か人生の転機を迎えました。
その都度壁にぶつかり、立ち止まり、頭を抱えていました。
今と違ってコラボという言葉もなく、苦手なところは誰かに委ねるといった発想はもちろんのことそういった状況もなく、当時の自分は、ただただ、自分の才能に落胆する毎日が続きました。
でも周りが温かく見守ってくださったお陰で、なんとかいまの自分軸を作ることができ、今に至っています。
人生の転機は必ずやってきます。
それが10年単位の人もいれば、5年単位、3年単位、1年単位、もしかしたら20年単位
という方もいるかと思います。
また転機に気づく人もいれば、気づかずに人生にピリオドをうってしまう人も多いのではないかと思うのです。
自分に似合う、自分を自分らしく魅せられる、
自分しかない魅せ術がある
ということに気づいたときが、私の最高の人生の転機でした。
皆さんにもお伝えしたい、知って欲しい、
その気持ち一筋でこれからも歩んでいきたい、そう思っています。