シンプルこそ難しい

服を重ねていくレイヤードスタイルは、ファストファッションをまるでハイブランドのように魅せるためには欠かせません。正直このレイヤード、センスの良し悪しが丸出しです。一見おしゃれに見えるレイヤードスタイルですが、実際は、「お!」と思わせてくれる人もいれば、「残念・・・・・・」になっている人もいるのが現状です。
では、シンプルスタイルにすれば、おしゃれに見えるのか?というと、それは違います。
私はシンプルスタイルこそ、センスが出ると思っています。だってシンプルということは、それこそ“そのまま”ですから・・・・・・。
つまりレイヤードは、一着では物足りないアイテムをちょっとしたテクニックでおしゃれに見せるための錯覚を起こさせている、といってもいいかもしれません。一方シンプルな服は、それ一枚で素敵に見せてしまう要素が詰まっているもの、と言えます。
でもここで勘違いしてはいけません。
一枚で素敵に魅せられるかどうかは、その人に本当に似合っているかどうかで決まります。たとえどんなにいい物であっても、着る人に合っていなければ、服だけが頑張っているように見えてしまいます。
つまりシンプルな服を着こなすためには、自分に似合っているかを知っていることが条件であり、またそれをカッコよく着こなすためには、ある程度のセンスをもっていなければならないということになります。
ファッションは毎日のこと。
大人である私たちは、ただ好きなシルエットだから、好きなスタイルだからといった理由で服を選んでいくのは少し考えなくてはなりません。でないと、いつまでたっても、自分に何が似合うのかが見えてきません。
これは、女性だけでなく、男性にもいえること。
この秋は思い切って、
『好きだから』『ただなんとなく着ている』といった状態を見直してみる時間にしてもいいかもしれませんね。