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自分の「軸」と出会うまで

三連休の真ん中。いい夫婦の日の11月22日。みなさんはいかがお過ごしですか?

今日は久しぶりに深い話をしたいと思います。良かったらお付き合いください。

また、何かの参考になれば、大変嬉しく思います。







みなさんにとっての軸、いえちょっと大袈裟ですが”生きる軸”というのは、どんなものでしょうか?

家族、友人、パートナー、ペット、仕事、才能、住居、食事、健康、美容、趣味などなど、自分が生きていく上で力を注げる「モノ」「存在」があると思います。

これは人によって様々です。幅広い分野を1つの軸として捉えていらっしゃる方もいるでしょうし、1つ何か”これ!”といったものを軸にしている方もいるでしょう。
今からだいぶ前の私の実話です。

これから先どうしたらいいのだろうと悶々としていた20代前半。OLにピリオドを打ちひとり旅に出た時のことでした。

旅の途中である優秀な女の子と出会いました。彼女はまだ学生でした。

どういったシチュエーションだったかあまり覚えていませんが、自分のもやもやを見ず知らずの女の子に、しかも他人に初めて打ち明けたのです。
そのもやもやの内容は、仕事とか恋愛とかそういったことではありません。あくまで”自分自身のこと”でした。

やってみたいことだったり、得意なことだったり、苦手なことだったり、好きなことだったり、嫌いなことだったり。とにかくいろいろチャレンジしてきたことがよくわからなくなっていました。
端から見たらそこそこ器用にできていたのかもしれません。ですが当時の私はというと、そんな自分に全く満足していませんでした。なぜならもっと太くてしっかりした「1本の自分」を心底求めていたからです。医者、弁護士、会計士、保育士、ダンサー、歌手、スポーツ選手、アナウンサー、研究者、先生…どんな道でもいい。とにかく1つの専門分野に突き抜けている人になりたい。ただただそう思っていました。なぜなら、それまでがいつも宙ぶらりんで、これといったものに夢中になったことがなかったからです。

ですが勉強がものすごいできるわけでもないし、その時の自分は何かを目指す自信さえもありませんでした。

そんな時、建築のことを一生懸命学んでいる目の前に座る女の子に言われたんです。
「亜紀ちゃん、いま、自分はアレもこれもで何でも屋さんと思っているかもしれないけれど、それを努力しているうちに、いつかその10本が3本になり最後は1本の太い幹になると思うな。それが亜紀ちゃんの言うスペシャリティになるかもしれない。決して医者や弁護士といった肩書でなくても、亜紀ちゃんが新しい専門家を自分で作ればいいんだよ!亜紀ちゃんならできると思う」

と。

 

彼女とはそれっきり出会うことはありません。ですが、彼女のことは一生忘れませんし感謝しています。

この言葉を胸に、帰りの新幹線で自分のことをもう一度振り返り向き合いました。それはもうイヤイヤ。他人と向き合うのも大変なのに、自分と向き合うってもっと面倒(笑)。向きあえば向きあうほど、自分って本当面倒な人だな〜って思ったりして1人苦笑していました。ですがそこから数ヶ月。いえ、正確には何年もかかったと思います。自分の軸を定めるまでに。ですが色んな思いと経験と自分の本質と真剣にぶつかりあっていくうちに、やっと出会えたんです。自分の幹となるものと……

 

それが「色」でした。

決まった時に見た空は、それはもう忘れもしないほど澄んでいて青々としていました。

 

そこからです。「色のひと®」がスタートしたのは。

それまで名刺にズラズラ書いていた「フードコーディネーター」「インテリアスタイリスト」「カラーセラピスト」といった肩書をすべてはずし、『色のひと®』だけで自分を作りなおしました。

初めの頃は、「なに?色のひと®って」と名刺交換する度に相手の方に言われました。友人からも、亜紀ちゃんのことを紹介したくても何ていいって説明していいかわからない。。よく言われたものです。^^

ですが決して揺るぎませんでした。なぜなら自分の中できちんとした理由と思いが定まっていたからです。

中には馬鹿にしてきた知人もいます。嫌な噂も入ってきたことがあります。一方で私の定めた「軸」をリスペクトしてくれて、ただただ黙って応援してれた友人も沢山います。もちろん今そうした友人らは、私にとっては恩人ですし大切な宝物です。

本当よく踏ん張ってきた、そう思います。

色を扱う仕事なら問題ありませんが、それ以外のフードの仕事もインテリアの仕事もすべて、この「色のひと®」で受けていたからです。ですが実はこうした食や住の仕事も、ただ何でも受けるといったことはしていません。必ず「色」から考える食事、「色」から考えるインテリア、といった色テーマがあるものだけを受けていました。

そして今も変わらず、「色」を軸に生きています。

ただ、むかしも今も軸は変わりませんが、時代の流れをよく理解しながら、その時代に合った「色」を自分なりに研究し、実践しています。

色は普遍な存在ではありますが、時代が動けば当然色も多少なり動いていきます。色は一度学べばおしまい。そんな単純なことではないのです。私が最初に学んだ色の理論、パーソナルカラーについてもそうです。日々研究は欠かせません。

恐らく自ら止めない限り、私は永遠に色を学んでいくでしょうし、誰が触れても、常に進化していく分野であると思っています。また今はこうした仕事を世の中に生み出せたことに心から誇りに思いますし、これから先も、やれるとろころまで学んでいこうと思っています。







以上が私の軸と出会うまでのストーリーです。

久しぶりに過去を思い出し、振り返りました。年齢を重ねていけばいくほどむかしの話になっていきますが、私にとってはいつまでも新鮮な話に感じます。

彼女にいつか会いたいですね。

 

 

いま世界各国でいろんなことが起きています。先日のパリのテロも911の時のように心に傷を負いました。これから先、どんな試練が待ち構えているか、本当にわかりません。だからこそ、自分の足で自分の人生を生きていくしかないのだと、改めて感じています。

 

 

每日のようにトレンドや情報に踊らされている人が山程います。ですがトレンドも情報もキャッチしたあとは、自分のタイミングで選択していくものだということを忘れてはいけません。

 

周囲でいま、キラキラとした人生を送っている人がいるかもしれません。仕事もプライベートもバランスよく過ごされている人がいるかもしれません。それと比べると自分はブレていて、かっこ良くない。素敵じゃない。そう思うかもしれません。

ですが、よく考えてみてください。周りにどんなに素敵な人生を送っている方がいたとしても、誰がみなさんの人生を素敵じゃないと決めたのでしょうか。

私の周りにもすばらしい方は沢山いらっしゃいます。ですがそれを見て素晴らしい!さすが!と思っても、その人が一番だとは思いません。むしろ今はパーフェクトではないけれど、一生懸命人生の波を渡っている人のほうがよっぽど素敵に見えます。

「ここからがまた頑張りどきだ……」そう思えた時の人間のパワーって、どんな素晴らしい功績や実績を残した人よりも美しく輝いているんですよね。それはもう、遠くにいても伝わってくるくらいに。。

お客様にもこうしたお話をよくします。他人と比較したりすることも時には大事かもしれませんが、あくまでもそれは参考資料として受け止めなくてはなりませんよ、と。

 

自分は自分。他人は他人。憧れもあくまで憧れです。

そしてまた、何が素晴らしくて何が素晴らしくないかなんて、今わかることではありませんし、決める必要もないこと。誰かが贈ってくれた言葉が自分の踏み台になるかもしれませんし、何かの本の一節が心の軸になるかもしれません。ですがその軸はあくまでも仮の軸です。動くための、再スタートするためのヒントに過ぎません。

最終的に出会う軸というのは、自分が納得して決めた「軸」です。また、その軸にもとづき、自分なりにいろんなことを「選択」していく。そしてその選択には、必ず自分で「責任」を持つことが何よりも大切です。またその選択の結果を、良い悪いで判断しないことです。その時は必要だったわけですから、その時の決断を大事にしなくてはなりません。当然誰かのせいにしたり、逃げることはもってのほかです。

こうしたことの繰り返しが、人からの信頼や人からの応援に繋がってくるのではないかと思います。

いま私は「色」を軸に衣食住をマーケティングし続けています。なぜならば、『色のひと®』『カラーキュレーション®』という自ら生み出した思考を世の中に残し、次の世代に受け継いでもらえたらと願うからです。

そのためにやらなければならないことが山程ありますし、みなさんにもっとお伝えしたいことが沢山あります。

だからこそ考えを文字にしてまとめるということを続けていますし、来年も再来年もこうした機会をいただけるのであれば、自分が学んできたこと、伝えたいことを綴っていこうと思っています。

 私の場合、きっかけは「色」でした。

ですが、あれから20年。今は色からわかるありとあらゆることに頭と心を動かしています。

 

みなさんにとっての自分の軸、ぜひ大切にしてください。

そしてまだ、定まっていないという方も、決して焦ることも、自分を責めることも、ありません。

見つかるときは見つかるし、見つからない時はそういう時なのですから。

大事なのは、諦めない、決めつけない、ということ。続ける、努力するということだと思っています。

 


nanae

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